うつ病等や発達障害など、精神の障害で障害年金を請求する場合、「何となく不安」「本当に通るのか心配」という声をよく伺います。
ここでは、精神疾患での請求ならではの注意点を整理します。
- 精神疾患でよくある却下理由
精神の障害で多い不支給(却下)のパターンは、次のようなものが想定されます。
診断書に「状態が比較的安定」「就労に大きな支障なし」などと書かれている
実際の日常生活の困りごとが、書類からほとんど伝わっていない
通院歴や症状の経過が、記録上うまくつながっていない
「働けている」という事実だけが強調され、周囲からの配慮や限界が反映されていない
つまり、「本当の困りごと」が年金機構の審査において伝わっていないケースが多いということです。
診断書や病歴・就労状況等申立書に、日々の実態をいかに反映させるかがカギになります。
- 通院歴がバラバラな場合の対応
うつ病や双極性感情障害、発達障害等では、転院や受診の中断、再開を繰り返している方も少なくありません。
この場合、最初に心療内科・精神科を受診した医療機関(初診)の特定(但し身体の不調を訴えて、かかりつけの内科等を受診した場合は初診日の特定に注意です)
その後の「いつ・どこに・どのくらい通ったか」という通院の流れを、時系列で整理
可能な範囲で、過去の医療機関に受診状況等証明書や診療情報提供書を依頼
といった作業が重要です。抜けている期間があっても、わかる範囲で「なぜ通えなかったか」「その間の状態はどうだったか」を申立書に記載します。完璧な資料がなくても、経過を論理的につなげることで、認定側に状況をイメージしてもらいやすくなります。
- 仕事に行けていても対象になるケースとは
「会社に行けているから、障害年金は支給されませんか?」というご相談もよくあります。しかし、ポイントは「行けているかどうか」ではなく、「どのような状態・条件なら行けているのか」です。
例えば、
週3日・短時間勤務で、残業や責任の重い業務は免除されている
頻繁に遅刻・早退・欠勤があり、評価や配置転換に影響している
何度も休職と復職を繰り返している
上司や同僚のサポートがないと業務をこなせない
といった場合、就労していても「かなり無理をしている状態」と評価される余地があります。「働いている=不支給」と決めつけず、「どのような制限や配慮が必要なのか」を、診断書と申立書で具体的に示すことが重要です。
- 家族ができるサポート(記録・メモ・代理相談)
精神疾患のあるご本人が、自分の状態を客観的に説明するのは簡単ではありません。そこで、ご家族のサポートが大きな力になります。
日々の様子を簡単にメモしておく(睡眠、感情の波、家事や身支度の状況、仕事でのトラブルなど)
受診に同行し、医師に伝えたいポイントを事前にメモで共有する
といったサポートは、診断書や申立書の「裏付け」として非常に有効です。
精神の障害での請求は、「見えにくい困難」をどれだけ具体的な事実として伝えられるかが重要になります。一人で抱え込まず、家族と情報を整理しながら、計画的に進めていくことが、結果的に最短ルートになると思います。


