「障害年金」という言葉は知っていても、「自分は対象外」とお感じの方は少なくありませんが、その多くは誤解に基づいています。ここでは代表的な3つの誤解と、制度の基本的な仕組みを整理します。
1つ目の誤解は「寝たきりレベルでないと支給されない」というものです。障害年金は、見た目の重さだけではなく、「働くこと」「日常生活」にどれだけ支障が出ているかを総合的に判断します。精神障害（うつ病、発達障害など）、内部障害（心臓・腎臓・呼吸器などの障害）難病など一見わかりにくい障害も対象となり得ます。
2つ目の誤解は「働いていると支給されない」という考え方です。確かにフルタイムで制限なく働けている場合は認定が難しい傾向にありますが、短時間勤務や配慮を受けながら何とか就労しているケースでは、実際に受給している方もいます。「就労＝一律不支給」ではありません。
3つ目の誤解は「障害者手帳がないと申請できない」というものです。障害年金と障害者手帳は別の制度であり、手帳がなくても障害年金のみを受給している方は多数存在します。
仕組みとしては、私たちが納めている国民年金や厚生年金を財源とした「保険」です。病気やけがにより長期的な就労や日常生活が困難になった場合に、その保険から給付を受けるイメージです。
障害年金を受給する上で判断される主なポイントは、
・初めて医療機関を受診した日（初診日）
・その時点で加入していた年金制度
・保険料の納付状況
・就労・生活上の制限の程度 などです。
「自分は対象外」と自己判断であきらめてしまうと、本来受けられたかもしれない支援を、見逃してしまう可能性があります。まずは、ご自身やご家族の状況が制度の対象になり得るかどうかを、客観的に確認していくことが重要です。
